奥武島サイクリング

【沖縄サイクリング】那覇から奥武島へ!22度の南風と女子サッカー観戦、車では見逃す「サステナブルな沖縄」を巡る旅

「沖縄観光」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか? レンタカーを借りて、国道58号線を北上し、美ら海水族館を目指す。それももちろん王道の楽しみ方です。でも、もしあなたが「まだ誰も知らない沖縄の息遣い」を感じたいなら、選択肢はひとつ。

沖縄南部サイクリング

自転車で、南へ向かうことです。

今回は、国際通りのレンタサイクル店「イーチャリティ那覇店」を拠点に、沖縄南部の聖地「奥武島(おうじま)」を目指した1日のサイクリングレポートをお届けします。2月の心地よい風、偶然出会った熱い試合、そして自転車だからこそ見つけられた「素顔の沖縄」を綴ります。

イーチャリティ那覇店

2月の沖縄は、サイクリングの「黄金シーズン」

今回の出発地点は、那覇の街中に位置する「イーチャリティ那覇店」。 ここからロードバイクで一路、南城市の奥武島を目指します。出発前にスタッフからおすすめのコースや最新の情報をしっかり確認するのがオススメ!色々と教えてもらったらいざ、スタート。

2月の沖縄。東京や大阪ではまだコートが手放せない時期ですが、この日の那覇の気温はなんと22度。さらに幸運なことに風は穏やか。サイクリストにとって、これほど完璧なコンディションはありません。

走り出してすぐに感じるのは、空気の密度の違いです。湿り気を含みつつも爽やかな南風が、ヘルメットの隙間から入り込み、肌を撫でていきます。沖縄の冬はサイクリングのベストシーズンだと確信した瞬間でした。

那覇の喧騒を抜け、景色が「緑」に変わる瞬間

国際通りサイクリング

那覇市の中心部、国際通り近辺は、やはり都会です。信号も多く、観光客や車で賑わっています。しかし、そこから南へペダルを漕ぎ進めるにつれ、コースの劇的な変化が訪れます。

建物の背が少しずつ低くなり、空が広く感じられるようになると、あんなに多かった信号が一つ、また一つと減っていきます。それと比例するように、道端には沖縄らしい植物が姿を現し始めました。

南部の花

コンクリートの隙間から力強く伸びるガジュマルの根、鮮やかなピンク色のブーゲンビリア、そしてどこかエキゾチックな香りを運んでくる植物たち。「あ、今、自分は沖縄の豊かな自然の懐に入っているんだ」という感覚。これは、時速60kmで通り過ぎるレンタカーの窓越しでは決して味わえない、時速20kmの特等席だけの贅沢です。

ガジュマル

偶然の出会い:FC Ryukyu Sakuraの熱気を感じて

南部へと巡る道中、あるグラウンドから活気ある声が聞こえてきました。 足を止めて覗いてみると、そこでは女子サッカーの試合が行われていました。

FC琉球サクラ

チームの名は、「FC Ryukyu Sakura(FC琉球さくら)」

沖縄からなでしこリーグ参入を目指す、情熱溢れるチームです。サイクリングの良さは、こうした予定外の場所で新しい出会いがあること。当初の予定にはありませんでしたが、しばし自転車を降りて観戦することにしました。

選手たちがピッチを駆け抜け、激しくぶつかり合う音。それを応援する地元の家族やファンの温かい拍手。観光ガイドブックには載っていない、リアルな「沖縄の日常と挑戦」がそこにありました。

サッカーチーム

すぐ近くで見かけた沖縄の桜「寒緋桜(カンヒザクラ)」。この花は日本で1番に咲く桜として知られています。チーム名の「さくら」もあって、何か運命的な出会いを感じました。

沖縄寒緋桜

海の青さに言葉を失う

さらに南城市のエリアへと進むと、ついに左手に海が開けました。 そこにあったのは、言葉を尽くしても足りないほどの「美しい」青です。

太陽の光を反射してキラキラと輝くエメラルドグリーンの浅瀬から、水平線に向かって深く染まっていくコバルトブルー。沖縄の海は、見る角度や時間によって表情を変えますが、自転車で海岸線を走っていると、そのグラデーションが映画のフィルムのようにシームレスに流れていきます。

「綺麗だ……」

奥武島への橋

思わず独り言が漏れます。この絶景コースではエンジン音のない自転車旅が最高。波の音、鳥の声、そして自分の呼吸音だけがBGM。この没入感こそが、沖縄サイクリングの醍醐味です。

奥武島への到着、そして「まさか」の結末

那覇からロードバイクを走らせること約1時間。サクッと、それでいて心地よい疲労感を感じる頃、周囲約1.6kmの小さな島、「奥武島」に到着しました。

この島に来る人の目的は、ほぼ間違いなく「沖縄天ぷら」という絶品沖縄グルメスポットを訪れることです。島へと続く橋を渡り、潮の香りが色濃くなる中で、私は確信していました。 「揚げたての魚天ぷらとイカ天ぷらを、海を見ながら頬張るんだ」と。

奥武島天ぷら屋

しかし、目指した天ぷら屋さんの前に立ったとき、目に入ったのは衝撃の看板でした。

「本日定休日」

定休日

一瞬、思考が止まりました。「嘘だろ……」という心の声。 2月の22度という最高の天気に恵まれ、素晴らしい景色を楽しみ、完璧なコースだと思っていた矢先の、まさかのオチです。

失敗すらも「心に残る」のが旅の面白さ

普通なら「せっかく1時間も自転車漕いできたのに!」と落ち込む場面かもしれません。 しかし、自転車を降りて奥武島の海岸沿いに腰を下ろすと、不思議と後悔はありませんでした。

天ぷらは食べられなかったけれど、ここに来るまでの道中で見た、名前も知らない小さな路地の花。信号待ちで目が合ってお辞儀をしてくれた地元の方。FC Ryukyu Sakuraの選手たちの勇姿。そして、全身で浴びた沖縄の風。

奥武島の近く

それらすべてが、もし車で移動して、ただ目的の場所へ直行していたら見逃していた「宝物」だったことに気づいたからです。

奥武島の静かな海を眺めながら、「また次に来る理由ができたな」と笑える。そんな心の余裕を、自転車という乗り物は与えてくれます。

なぜ今、沖縄で「自転車」なのか

今回の旅を通じて強く感じたのは、自転車は「エコでサステナブルな旅」の究極の形だということです。

沖縄は今、オーバーツーリズムや交通渋滞といった課題を抱えています。 そんな中で、ガソリンを使わず、排気ガスも出さず、道中の小さな商店や風景に敬意を払いながら移動する自転車旅は、これからの沖縄観光のあり方として非常にポジティブな選択肢です。

ロードバイクなら、那覇から南部まで片道1時間程度のコース。 「ちょっとそこまで」の感覚で、全く別の世界へ行ける。 バスや車では見逃してしまう「沖縄らしさ」を、五感すべてで感じる事ができるのがサイクリングなのです。

おわりに:あなたも「自転車でしか見れない沖縄」へ

那覇へ戻る帰り道、行きよりも少しだけ夕焼けに染まり始めた海を見ながら、私は確信しました。沖縄に来るなら、一度は自転車に乗るべきだと。

南部の沖縄そば屋

たとえ目的の天ぷらが食べられなくても、道中に転がっている小さな発見たちが、あなたの旅を何倍も豊かにしてくれます。

イーチャリティ那覇店には、初心者でも扱いやすいe-Bikeや、今回私が使ったような本格的なロードバイクが揃っています。最新のレンタル情報は公式サイトをチェックして、次の沖縄旅行では、レンタカーのキーを置く日を1日だけ作ってみませんか?

沖縄ロードバイク

信号が消え、緑が増え、風の音が大きくなる。 その先にあるのは、きっとあなただけの「心に残る沖縄」です。

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